※シリーズものです。最初から見たい方はDay1からご覧ください
板谷峠の名物はご存じでしょうか。
古くから数多の列車がこの”名物”に苦しめられてきました。そしてそれは今なお完全には解決できていません。では、その名物とは一体何なのでしょうか
板谷峠の名物、それは空転です。毎年秋、紅葉が見ごろを迎えるころにどういうわけか空転が多発するのです。つい数年前に発生原因が解明できたにもかかわらず、いまだに解決しないそう。
そしてその空転を防ぐために列車を増結するシーズンがあります。そう、晩秋の時期です。 板谷峠で4両編成の719系を見られる唯一のシーズンが11月なのです。
今回はこの空転対策をメインに進めていきます
空転対策がされている列車は福島始発の第一便。そのためなんとしても庭坂ベースで動く必要があったのです。朝6時頃に宿を出発し、4キロ先の撮影地まで歩いて行きます。
前日の雨が雪に変わったのか、目の前では白い粒がちらほら。山もうっすら白く染まっています。
今回の旅は3泊4日の割と長旅。2日を移動、2日を撮影に使うためです。撮影に2日欲しかったのは 万が一どちらかの日にポシャってもリカバリーできるようにするため。そして今日は太陽が出てこない日、自分の機材ではこういう時勝算がほぼないので実質下見デーとなりました。
まぁ案の定、といったところでしょうか。ちなみにこの直後つばさが反対側から来たので暴れん坊将軍のぶっ飛ばされるアレになりました。
落ち込んでばかりもいられないので急いで庭坂へ。次の列車で板谷に行くと2分差で返しの福島行きを見ることができます。前日に買っておいたフリーパスが今日から使えるのでドシドシ使っていきます
後続の列車はなぜか2連。始発だけ4連なのは霜取りとかそういう要因なのでしょうか
峠の中までくるともう辺り一面雪景色。
板谷駅に到着。ホントに紙一重なので急いで反対側のホームに移ります
急いては事を仕損じるとは言いますが、まさにそのまんまの言葉を送りたいです。
尻は切れるわ上はカツいわ...、そしてこれは後で知ったことですが、板谷のエキセンはそもそもマークしていた撮影地と違う場所でした。バカだねー(笑)
仕方ないので4連とわかる写真だけ。なお、この列車4両と言いつつ後ろの2両は締切扱いの回送車なんだそう。乗せてくれればいいのに
さて、前にも言った通り、板谷峠はその難関っぷりからスイッチバック設備を設けて峠越えをしていたのは有名な話ですね。現在は廃止され、その名残があった場所を歩いて行くことができます。というかそこを通らないと駅から出られません。
板谷駅や峠駅をはじめとした板谷峠の駅には決まってシェルターのようなものが設置されています。説明するまでもありませんが、雪から人や車両を守るための設備ですね。こちらも現在はマルタイなどの保線車両を置いておくための車庫として活躍しています
そしてこの設備、意外にも風が入ってこないのでかなり助かります
シェルターを抜けた先には保線車と出入り口の坂道が。
坂を上がると小さな町に出るのでそこを右に曲がり、道なりに進みます。
もう完全に冬の景色です。私今夏用のスニーカーなんですが…
気温がマイナスまでいってないのか、水たまりができています。どう行ったものかな
わずかな雪原を歩きビショビショに濡らしていきます
靴がすっかりビショビショになったところで駅の横まで出ました。
さらに進んだところに見えてきました。子供の頃誰もが一度は見たであろうS字カーブ。VHSでもビデオでも雑誌でも出てくる超!有名撮影地ですね。
ロケーション的にも悪くない感じ。雪の中を走るつばさ号を撮影
この板谷峠は新幹線ばかり来るので銀つばでもくればいいのになと思いつつ、さっきの4連がもう一度やってくる13時まで4時間ほど耐久することに。ちなみにこの間普通列車は1本も来ません。(マジで)
板谷峠の時刻表はご覧の有様なのでマジで13時までここを動くことができません。唯一幸いなのは撮りたい電車より後に乗りたい電車が来ることでしょうか。それもかなり余裕があります
さて、人間4時間も寒い場所に野ざらしでいると当然凍えてしまいます。ここにはS字カーブ以外にもう一つ撮影場所があるそうなので、そこまで行ってみることに
とりあえず道づくりから。雪は踏み固めると歩きやすくなるのでこれを応用して歩きやすくしつつ体を温めていきます。
踏み固めるのは当然夏靴をはいた足。当然防水処理はしていないので溶けた雪でびしょびしょになりますが、往路ですでに濡れているので没問題ラ
とりあえず数時間かけて舗装完了。雪の下に階段があったのかかなり楽でした。
ここからあと3時間、吹雪の中新幹線を撮りながら本命を待ち続けます
結局銀つばはどっちにも現れず、ド本命の719系4連に全集中することに。
指の筋肉は硬直し、体は寒さから武者震いを起こしていました。レンズをズームすることもままならないほどの状態に危機感を抱きながらも、無理やり指を動かし撮影に挑みます。
吹雪こそしたものの雪の粒がそこまで大きくなく大成功。11月に早くも雪景色の719系を撮影でき感激です。
本命を撮ったら今度は福島行きに乗るため急いで撤退。道中の水たまりや道舗装で体中がキンッキンに冷え切っています。
戻りの電車がやってきたところで今回はここまで。
ここから福島に行き、次の行程を考えます