休車札の謎

おはこんばんにちは、今日も北海道は凍れています。

今回は国鉄時代から使われている休車札についていろいろ考察していきます。

 

”休車”とは?

休車(きゅうしゃ)とは、鉄道車両や自動車など、一般的に車両と呼ばれるものの本来の用途における使用(人や物を運搬することなど)を一時的に中止していること、またはその車両である。(Wikipediaより)

 

これだけでは何を言ってるかわからないと思うので、日本の鉄道車両検査に関する法律も。

国土交通省 鉄道に関する技術上の基準を定める省令  第89条より

3 列車は、その種類及び運行状況に応じ、車両の主要部分の検査を行わなければならない。

 

上2つの長ったらしい文章をざっくりまとめると

鉄道車両を一定周期で検査をしなければならない

・車両などの使用を一時的に中止=休ませる

となる。運用を離脱させても検査期限は近づいてしまう、それだといろいろと面倒。じゃあその使わない期間だけ検査期限を引き延ばせばいいじゃない! といった感じで生まれたのがこの”休車”という制度である。

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休車札が入れられている”冬の湿原号”用14系 釧路運輸車両所にて

SL冬の湿原号などの1年の特定の季節にしか使われない車両は、使用されない期間の方が長いので休車制度が活用される。これを第一種休車という。

 

休車の種類

休車には前述した用途以外にも使用されている。再び使用する予定がない(=廃車)場合や部品取りなどにする場合にも休車制度を活用することがある。こちらは第二種休車という。

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留置されているキハ183 苗穂にて

二休車のイメージ。ちなみにこの車両群は後に解体された。

 

揺らぐ休車の定義

ここまで休車の基本的な解説をしてきたが、これは国鉄時代に用いられていた制度。現在はどうなっているのだろうか。

現在、確認できる中で休車制度を活用している(とされる)会社はJR貨物JR北海道JR西日本京急などの一部私鉄と少数派になっている。それ以外は「保留(使うか使わないか未定)」などの制度を活用している。

また、休車制度を活用している会社でも数字毎に振り分けていなかったり、一休車の札が刺さった車両を廃車にするなど国鉄時代の休車定義から外れた用法で使用しており混沌を極めている。

 

現在の休車の定義とは?

ここから本題です。長かった。

現在、確認できる中で3件の休車を発見しています。この3件から現在の休車の扱いを紐解いていきたいと思います。

 

1.元札沼線用 キハ40形400番台

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2020年に札沼線末端区間廃止に伴い用途を喪失したキハ40形400番台。事実上の引退から間もなく2年が経過しますが、依然として苗穂運転所に留置されています。

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扉の近くには”一休車”の札が。というのもこの車両はかつて”スーパーヨンマル”と呼ばれていた高馬力エンジンを持つ車両。2両で運行しなければならない峠などの区間でもこの車両なら1両でも運行できるためか、一時的に用途を「保留」しているものと思われます。でももしかしたら枠の中にもう一本線があって「実は二休車でした~」ってこともあるかも?

2.”SL冬の湿原号”用14系客車

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これさっきも上げましたね。というわけで2件目はSL(ry 用の14系です。こちらは2021年に撮影したものになります。

なぜか車両が3両ほど足りないのはなぜか。

SL冬の湿原号はこの時大規模なリニューアルを行っており、最初に3両改造し、次の年に残りの2両をリニューアルすると宣言していました。しかし苗穂も釧路も客車以外に検査をする車両が山のようにあり客車ばかり整備するわけにもいかず、かといってそれだと次シーズンの運行に間に合わない。それでこの2両の検査期限を引き延ばす=休車という流れだったようです。

この車両は1月30日現在冬の湿原号の運行に復帰しています。

3.キハ183系

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1月30日現在40両が配置されているキハ183系。現在のはオホーツク/大雪と一部特急の代走で使用される程度なので大量の余剰車が発生しています。この余剰車が休車措置をとられているのですが…

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なんとこちらは休車札を使い分けていました。驚きです。

ていうか枠に文字が被ることはないんですね。

両車ともに状態はさほど変わらないように思えますが、検査周期の都合なのでしょうか。

休車の状態から復活した車両がいたり、逆に一休車のまま廃車になった車両もいるのでこれらの処遇がどうなっているのかはわかりません。

 

これらの休車札の傾向を見るに、苗穂所属の車両は細かい使い分けがあまりない、釧路所属の車両はキッチリと使い分けているように感じました。やはり支社ごとにまちまちといったところなのでしょうか。

 

結論

結論としては、「保留車の識別のために札を刺している」と考えられます。というのも、現在JRでは休車制度を事実上廃止し「保留」といった曖昧な処置を施して余剰車を捌いています。休車札はおそらく保留車と使用中の車両を識別するための付箋のような役割を果たしているのでしょう。そのため一休車でも廃車になる、支社によって用途が異なる、といった現象が発生しているのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

おまけ

普段は脳死で「推しが尊い~(意訳)」しかつぶやかない人間がない語彙力を必死に絞り出して考察をしたところ、まとまりのないただの作文になってしまいました。

さらにこの記事を作成してる最中にスーパーヨンマルや182が入場してしまいました。一体どうなってしまうんでしょうかね。今後の行く末が気になります

てなわけで今回は休車札に関するしょうもない考察でした。またいつか~